17. タナカの国
タナカを知っている人はあまりいないでしょうね。でもこんなHPを見る方なら知っているかも。ミャンマーで女性が使う化粧品で日焼け止めになるそうです。顔に塗った白いのを見たことありませんか?
ミャンマーの片田舎(ヤンゴンから車で6時間)で工場を建設するプロジェクトで、会社にとってミャンマーでの30年ぶりの仕事です。当時に現地に行っていた人もまだ在職しておりその話を聞いてから仕事にとりかかったものです。当時もまったく開けておらず、資材・機材ともすべてすべて日本から持ち込み、労働者は現地雇用です。今回もそれに近く、最初から苦労するのは目に見えておりました。当時若手であった某氏は、現場監督で現地労務者を働かせるのに長い棒でタタイたと何か懐かしそうに話したのを、ちょっとアブナイ人だなと感じながらも聞いておりました。その某氏が何と今回の現場責任者に!
かの国は敬謙な仏教国でかつ軍事政権下にあり、坊主と軍人はエライのです。公式の席に出るときには日傘さしのお供がついています。インドネシアでも結婚式でよく見るものです。何をカン違いしたのか某氏は日傘持ちとカバン持ちを従えるようになったのです。そりゃあ給料は微々たるもので何も問題にならないし、現地の人に現金を落とすのですからいいことづくめのようですが、おっと待った。30年前に棒でシバイたという話とくっついて、こんな想像をしてしまいました。
日本にいる時は課長とはいえしがないサラリーマン。平均的な給料しかもらっていないハズ。それが現場責任者となったとたんに使用人を何人もつかえる身分になり、舞い上がったふるまいをするようになります。単に日本の会社からもらう給料が現地ではベラボーな価値になるというだけで。ジャカルタの駐在員も運転手・女中・子守りなどを雇う優雅な生活に舞いあがってしまいます。悲しいのはそこに現地の人を見下す心がすけて見えてしまうことです。同じ駐在でもヨーロッパやアメリカに駐在すればそんなことはまったくないのに。裏返しなんでしょうね。
タナカを顔に塗った女性を見て笑うのと、青いアイシャドーの女性を見てウットリするのと、根は同じ?
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