16.洋服をつくる
バリ関連のHPで靴や帽子をオーダーする話題があり、きっと洋服もできるはずと思い代理店のガイドに到着したその日に聞くと、問題なくできると。採寸してから出来上がるまでの時間がよくわからないけれど帰国まで10日もあるのでそれもOKだろうということでした。念のため、採寸は早いうちにしておき1週間程度の余裕をみることにしました。ガイドの言うには店は制服をおもに作っているとのこと、それなら縫製もしっかりしているはず、と思い込んでいましたが、さてどうなるやら...
生地を買う
せっかくバリで作るなら、免税店とかミヤゲ物屋でなく普通のバリ人が買うような店で生地を買うことにしました。ガイドさんに聞くとパサールバドゥンPasar Badungのすぐそばにたくさんの生地屋があるとのこと。パサールに行くついでにまわってみると、なるほど、ズラッと数十軒ならんでおりいかにも東南アジアらしい色づかいの生地が店の外までハミ出ています。黄色・ショッキングピンク・金色などなど、それに白黒柄とか。
黄 Kuning
赤 Merah
青 Biru
緑 Hijau
白 Putih
黒 Hitam
いくらキレイでも日本に持ってかえってから着ることができないくらいハデなのが多いので、なかなか決まりません。ガイドさんもあきらめ顔。女性の買い物は、特に着るものには時間がかるのは世界共通。やっとそれらしいのが見つかったと思ったら「これはキープ」なんと、まだまだ探すつもりらしい。10軒くらいを軒並みに覗いてみてようやく決まりました。かすかに模様のはいった白くてすこし光っている生地です。もうすこし光っていない生地はないかと聞くと奥から出してきたのはなんかテーブルクロスみたいな、おもしろみのないやつ。結局光るやつにしました。ここまで約1時間。疲れました...日本と同じくm当たりいくらの値段でしかもめずらしく値札がはってあります。RP28000/mです。上下の洋服にするとして4mもあればおつりが出るはず。というわけで、しめてRP112000(1500円)
服を注文する
仕立屋さんはサヌールの大通にあります。ガイドさんとどういう関係か聞くのを忘れましたが、多分代理店の制服を作ってくれた店だと想像します。玄関横では生地と型紙をひろげて切っています。店に入るとミシンがけの女性が4人と針子さんが4人くらい。店長かオーナーとおぼしき女性が出迎えてくれました。生地をみせて、上下にわかれた洋服を作りたいと言うと、光る素材だからチャイナ風の立てエリにしてはどうかと。ナルホド。気がつかなかったなあ。それさえ決まればあとはボタンを同じ生地のクルミボタンにして、ボタン穴は横にして、袖の長さは7分くらいにして、とスイスイ決まっていきます。デザインが決まれば、こんどは採寸です。宣伝チラシの裏側に絵をかいて、計るたびに記入していきます。このへんでもう僕はアキてきました。ミシンのオネーサンの手元を覗いてみたり店の中をウロウロしてるうちに終わったようです。さて、料金と仕上がり日を聞くと、RP100000(1360円)で明日の夕方にはできると。もうすでに夕方なので、たった1日でできることになります。ヒャ〜特急仕立屋。ガイドさんにホテルまで持ってきてもらうことにしました。ガイドさんの事務所はデンパサール市内、自宅は???でウブドのホテルまで。仕立て料金にも入っているのかな。2年前につくった時はトパティからウブドまで店が届けてくれましたが、今回はガイドさん。

型紙はやっぱり新聞紙です。


家内は背が高いのでちょっと苦労してます。

出来上がり
約束の日に何とガイドさんがダンナと2人で現われました。しかも時間ぴったり。期待を裏切ってくれますね〜。部屋のベランダで4人でいろんな話をしましたが、やはり話題は旅行客が減って仕事がないこと。ダンナはサヌールのホテルマンだとか。そこも仕事がないので、今日は休みをとったとのこと。爆弾さわぎ・イラク戦争・SARSと3重苦でバリの人は大変です。休日に何してる話から音楽の話題でウブドでCDを買ったというと、何のCDかと聞かれDangdutだと。笑われちゃいました。インドネシア人が演歌が大好き!というようなものですから。ましてやInulが好きなんて口をすべらそうものなら、一体どんなことになるやら。きっと1年間は誰かに「こんなスキモノがいてね...」と話題になるからじっと黙っていました。代理店の奥さんにもこの話をすると否定しませんでした、ヤッパリ。とにかく下らない話をして最後にお礼をいって別れました。

こんな風にできあがりました。チャイナドレスと同じで上着は体にピッタリ作ってあります。でも太ったらすぐにわかってしまうじゃん!気をつけないとね。生地屋でみたときはごく普通に見えたのですが、仕立あがってみるとエラク派手なんです。上下そろいで着るとそれはそれは...いったいどこで着たらいいんだろう?しかたないので、とりあえず上だけで着ることにしました。教訓:生地を買うときはごく地味なのを選ぶべし。

自宅に帰ってから
生地の裏に青い線が残っており、ああこの店では青いチャコを使うんだと何げなく思っていました。家に持って帰ってから洗濯してみると、まったく色落ちしません。どうも色エンピツのようなものです。アリャリャ、どうやって消そうか?鉛筆には当然消しゴム!これがズバリでよく消えます。教訓その2:白い生地にはチャコの線が出るので気をつけよう。

値段に比べてなかなかの出来上がりに満足しました。オーダーするのは日本ではなかなかできないことですから。お世話になった代理店の奥さんに上記の体験を写真といっしょにメールすると、何と彼女も作ったことがないとのこと。意外な事実で、日本女性は服をオーダーしたことがないんだなあ。裕福でブランド品には目がないのに、自分の好きなデザインで好きな生地をつかって作るというのは当たり前のことなのに。それでその奥さんには代理店のツアーで洋服仕立ツアーをやってみては、と提案しましたが、さて日本のお嬢ちゃんたちは乗ってくるかしら。

ついでに
サヌールの店に行く前に代理店に寄って合ってみたいとガイドさんに言うと携帯で連絡をとってくれて近くの喫茶店で合うことができました。社長はバリ人のダンナ(島の北側の人)で奥さんは日本人(横浜の人)。ガイドさんが時間にきっちりしていることから社員のシツケもよく(もちろんウッカリはままありますが)予想通りというか、インドネシアらしくないというか、そんな人達です。何かというとすぐに「彼に聞いてみる」ところからするとダンナが始めた仕事のようで、奥さんはお手伝いかな?できもしない大ボラを吹くこともなく普段の生活をチラッと話してくれたり、逆にそんなのでちゃんと食っていけるんだろうかと心配になります。客の前で苦しい台所を話してもダメだし、能天気なバカ話してもダメだとはわかるのですが。というわけで、まじめなダンナのファンになりました。別にオゴッてもらったからじゃないです。ホント。

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