31.高雄の食事 その5


高雄には仕事で親しくなった土建屋さんがいます。訪台するたびに会いにいってイロイロ楽しい話をするのですがいつもオゴッてもらってばかり。「台湾では私の言うこと聞いて」と完全に仕切られています。ジジーと家内と3人で行ったときの話。事前に予定を連絡しておいたのでホテルに電話があり膨湖料理店「海天下」に7時集合と。友人は副社長と工事部長をつれて3人。彼は肩書きがキライだけど仕事は好きな変人です。昔は「老地方」をよく使っていたのですが味がもうひとつになったので変えたそうです。
店に行くと部屋に案内され3人がまちかまえています。さっそくこちらの2人と向こうの3人を紹介して、ワイワイと注文するものを決めます。ところがそれぞれ好みがありなかなか決まりません。こんな具合です。
友人  58歳 酒ダメ・辛いのダメ
副社長 55歳 酒好き・味は?
部長  42歳 酒タバコ肉刺激物など一切ダメ(宗教上)
ジジー 78歳 酒ダメ・塩分少ない薄味・イカダメ
家内  50歳 酒ダメ・辛いの好き
私   50歳 酒好きだけど肝臓悪い・何でも食う
こんなのいちいち言うこと聞いてたら明日になっちゃう!
そこで友人が適当に10品ほど店のネーチャンと相談しながら決めてくれました。○○はあるか?今日はそれより△△のほうがオイシイ。とかなんとか。まあ、膨湖料理の店だからジジーにも大丈夫ですが、部長の料理だけは同じにならず、素食の特別メニューを作ってもらうことになりました。言えばどうにかなるこの気楽さ。どうして日本では客が遠慮しなくちゃならんのかね?
いろいろ食べたのに覚えているのは、「膨湖カボチャのビーフン」と「渡りカニのイタメもの」。これはホントにうまかった!旗津で頼んだけれど海天下の味には及びませんでした。あまりに楽しくて写真もとっておりませんでした。申し訳ない。

さて食事が終わってからが本題。
たまには私が支払いをしようとトイレに行くふりしてキャッシャーのネーチャンをつかまえ、カードを押し付けたのですが首も手も横にふるばかり。奥からマネージャが出てきて「○○建設のお客さんから受け取るわけにいきません」とこれまた断られてしまいました。押し問答をしていると、友人がやってきてニコニコしながら「ダメでしょ?」「どうしても受け取ってくれないんだ」「そりゃ、この店は会社の接待で使っていて、絶対にお客から受け取るようなことはしません」 ありゃま、そんなことになってたのね。結局、次に一緒に食べる時には僕が払うということで決着しましたが、またヤラレちゃう気がします。なにしろ地元なんだから。

雰囲気が家庭的で尋之屋より海天下のほうが好きです。
海天下
林森二路188號
電話281-0651

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