第１４回でふれたヒシの実を思わぬ時にいただきました。このようなヒシの実を初めて高雄で食べたと話した神戸在住の台湾人がわざわざ持って返ってくれたのです。私が高雄で食べたのとまったく同じものです。形は日本のものが４本角なのに比べて台湾のものは２本角で、味は日本のよりイモッぽく、栗と小芋の中間といった味でしょうか。日本でも私が食べていたのは中学生くらいまでですから２５年前のことです。池にはえているヒシの水草に実がなる夏休みにはバーチャンにゆでてもらった記憶があります。そのころでも市場で買うようなものではなかったのです。私は大阪の郊外（タンボの広がるイナカ）に住んでおりましたが、それでもかなり遠く（自転車で３０分くらいかな）の池まで行って取ったものです。同い年の妻は大阪市内に住んでいたので、ヒシを食べたことはないそうです。家内の父は食べたことがあるそうで、どうも私はイナカモノのようです。そんなことを思い出しながらまっ黒な皮の中の白い菱角を食べました。開発の進む台湾でも同じように忘れられた食べ物になるのでしょうか。
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