京都大学 その3
撮影場所 :京都大学構内
撮影日時 :2014/9/13
モデル :工藤玲子
京大のシンボルは時計台ではなく、西部講堂と吉田寮です。
余りに古い木造でそのまま使うには危険ですらありますが、取壊しをしないのは単に学生が強いというだけでなく
学校側にも愛着があり、建替えにどうしても踏み切れないのです。
吉田寮は1913年(大正2)に建てられてもう102年になります。私が友人を訪ねたのが40年前ですがその時もすでに廃墟のようでした。
いまだ現役で使われているのは驚きですが、今も尚、学生の自治で運営されているのはもっと驚きです。
学生の自治独立の気風と学校側の愛着がなくなるとき、吉田寮は消えるのです。
鬱蒼と茂る森の中に廃墟のような木造2階建が3棟並んでいます。
敷地内では鶏多数・エミュー1羽・黒ヤギ1頭が飼われています。寮生が世話をしているのですが
ペットではなく食料です。「吉田寮畜産業協同組合」という物好きが飼っているのです。
寮費は光熱費込みで3000円/月くらいのハズ。面接の上で入寮できます。
大学には他に熊野寮と女子寮があるだけでなく、学校近辺には多数の学生マンションがあります。
ほとんどの学生はマンションやアパートに住むのですが、変わり者は吉田寮を目指します。
女性にとってはこの情景はかなり刺激的で拒否反応が出て当然です。
このような吉田寮となった背景を説明して少しだけ納得したようです。
吉田寮がこのように運営されているのは、大学紛争よりもはるか以前からで
自主独立と言えばカッコイイですが、管理されることを嫌う京大の気風が
連綿と受け継がれてきたのです。そのシンボルとして吉田寮はあります。