6.梅田北ヤードの地下道

北ヤードの西側に立つ梅田スカイビル、最近は外国人観光客でにぎわっているそうです(日本人より多いとか)
そこへ行くにはグランフロントから歩いて地下道をくぐるのが一番近いのです。


赤線が地下道です。 北ヤードが再開発されるときっと地上の道路になるでしょうね。


薄暗いノスタルジックな(古臭いとも言う)な〜〜〜んにもない地下道です。
北ヤードができる前からあった道路が途切れたため、地元住民が子供の通学のため国鉄に求めたとあります。


1933年(昭和8)北ヤードを横切る地下道が破線で示されています。大阪鉄道局から西へ。
地下道が1928年(昭和3)にできたことを示す銘板が地下道東端にあります。
   
   古来至誠にして動かざるはなし   そうあってほしいものです
   是ある哉かな
   我等区民の誠意は遂に鉄道省に容れられ
   梅北の廃道茲ここに復活して
   延長壱千六百五拾八尺(503m)に亘わたる大地下道の
   竣工を見る時方に昭和三年四月 今や市民蘇生の悦よろこびに堪えず
   只管ひたすら聖代の恩澤を謳歌(原文はロ編)す
   依って茲に之を刻み以て竣工の記念とす
    梅北道路復活期成同盟会
建設時は延長503mですが、現在は200mしかありません。
503-200=約300m はどこへ? これが今回の話題です。

それを調べるには地下道の記載ある航空写真が説得力があります。

1997年(平成9)にグランフロントができる以前の写真に地下道出入り口が見えます。
西側は現在と同じで、東側が大鉄局跡地の北西角まで伸びていました。
これを現在のMAP上で計ると

赤線部合計 472mとなり、まだ30mほど足りません。緑線部を足すと丁度合うのです。(コジツケ)
もとあった地下道が切り詰められ、さらに全部撤去されると、そのような経緯は全て失われます。
歴史なんて、偶然に残った記録でしかないのかも。


2023/11/9 追記
11月8日で残っていた地下道は閉鎖され、近く解体撤去されるとのニュース。
2023年現在での衛星画像はこうです。