レンズ 四の沼
Kiron 中望遠単焦点 105mm F2.8 macro
レンズマニアには有名なサイト「 M42 Spiral 」を眺めていたら、見知らぬ日本製メーカーのものが紹介されていました。
Kiron 105mm F2.8 Macro
そこに出てきたメーカー「キノ精密工業」 聞いたことも見たこともありません。
ずいぶん褒めており、 Micro Nikkor 105mm と比べられる性能だと。
探しましたデス。
今は京セラオプテックに吸収されましたが、工場はまだあります。
eBay で調べると、いろいろな種類・マウントが用意されていて、値段はそこそこします。
80-200mm F4.5 macro | Pentax |
80-200mm F4.5 macro | Canon |
80-200mm F4.5 macro | Konika AR |
70-150mm F4 macro | OM |
70-210mm F4.5 macro | Canon |
80-200mm F4.5 macro | Minolta |
35-135mm F3.5-4.5 macro | Pentax |
70-210mm F4.5 macro | OM |
35-135mm F3.5-4.5 macro | Canon |
28-210mm F3.8-5.6 | Konika AR |
28mm F2 | Pentax |
などなど、Nikon用も
28-210mm F3.8-4.5 macro |
28-105mm F3.2-4.5 macro |
70-210mm F4 macro |
28-70mm F3.5-4.5 macro |
28mm F2 |
24mm F2 |
105mm F2.8 macro |
標準単焦点は手がけていないようです。
eBayでポチッとしてしまいました。 何か良さそうなニオイがしたんです。
105mm F2.8 macro Nikonマウント
届いてビックリ、レンズ前玉の裏面に明らかなカビが見えます。周辺部だけですが、放置すると増殖する恐れも。
前から後ろから光をあてるとゴミは見えますが、他のカビは見えません。
ホコリや曇りは仕方ないのですが、これは困ったなあ。
マクロレンズなので胴体の伸縮量が大きく、空気の出入りも当然増えます。
外面は周囲の空気が乾燥しておれば良いのですが、空気の出入りする内部に
カビ胞子と湿気が入ったまま放置するとカビが増殖してしまいます。
バラさないとカビ除去できない場所なので、専門家に聞いてみました。
①鈴木特殊カメラ
問い合わせメールを送るも一切返事なし。
こりゃダメだ・・・
②日研テクノ
返事は「取り扱っていません」
カビ除去を受けないのか、このレンズが特殊で扱わないのか不明ですが
ここもダメか・・・
残る方法は
③あちこち問い合わせまくる
④自分でバラしてカビ取る
⑤筋違いとはいえ後継会社「京セラオプテック」に問い合わせ
まずは⑤をやってみて、駄目なら③か④どっちも面倒だなあ。
とりあえず、このレンズは隔離しました。
コワイのでカメラに取り付けて写りを確認することもしていません。
2019/3/20
京セラオプテックに問い合わせ
(カビ除去+オーバーホール)ができる業者を紹介してもらえないか
随分と都合のいいお願いですが。
5/24日現在 連絡なし。 まあ仕方ないなあ
もう1本買うには高すぎます。 35000円だったから。
OMマウントでようやく20000円を見付けましたが・・・
ジャンク品などそもそも出回ってません。
もう数年も使っていないD40x に付けてみるか・・・
FXレンズをDX機に付けると 150mm望遠になっちゃうけど。
日本語Wikipediaの受け売り
Kironは東京のキノ精密工業(1959年創業)の米国販売子会社で1980年に設立。
米国Vivitarの新ブランドSeries-1 のOEMサプライヤーとして契約し
価格よりもはるかに高い品質・性能で大評判となり、自社ブランドとして
販売を始めたのがKiron。
有名な製品には
28mm F2.0
105mm F2.8 macro
28-210mm F3.8-5.6
28-210mm F4.0-5.6
28-85mm F2.8-3.8 macro
1980年代後半には製造コスト上昇と低価格帯への要求、さらにはオートフォーカス
への移行が重なり
1988年にキノ精密は35mmカメラレンズから撤退します。
代わりに工業用レンズ分野に注力するも不振で
1989年にMelles Griot Japanに吸収され、キノ-メレスグリオに改称
1995年についにキノの名称は消えメレスグリオとなります。
2007年CVI Melles Griot Groupのグループ会社となり
2011年米国IDEX Corp.が4億ドルで買収。
2016年京セラオプテックがメレスグリオジャパンを吸収
2018年京セラに統合され光学部品事業部になる。
メレスグリオになってからすでに30年、そりゃあキノ関係者は誰もいないでしょう。
そんな昔の製品について聞かれたって知らんヨネ。
英語Wikipediaの受け売り
Kironブランドでの販売品一覧
24mm | F2 | |
28mm | F2 | |
28mm | F2.8 | |
28–70mm | F3.5–4.5 | 2 versionあり |
28–70mm | F4 | |
28–85mm | F2.8–3.8 | varifocal macro |
28–105mm | F3.2–4.5 | varifocal 2versionあり |
28-210mm | F3.8-5.6 | varifocal |
28–210mm | F4.0–5.6 | varifocal |
30–80mm | F3.5–4.5 | varifocal |
35–135mm | F3.5–4.5 | varifocal |
105mm | F2.8 | macro |
70–150mm | F4.0 | |
70–210mm | F4 | 2 versionあり |
70–210mm | F4.5 | |
80–200mm | F4 | |
80–200mm | F4.5 | 6 versionあり |
ボーッと見ていたらeBayについにNikonマウントのKiron105mmが出品されていました。(他のマウントならもう少し多いのですが)
初値 19/6/6 10ポンド(1440円)
1日目 19/6/7 16ポンド(2300円)
2日目 19/6/8 21ポンド(3000円)
3日目 19/6/9 30ポンド(4300円)
4日目 19/6/10
5日目 19/6/11 35ポンド(5000円)
6日目 19/6/12 97ポンド(14000円)値段がジャンプした瞬間
7日目 19/6/13 101ポンド(14500円)
8日目 19/6/14 110ポンド(15800円)
9日目 19/6/15
最終10日目 19/6/16 154ポンド(22200円)
どこまで上がるんだか、どこまでなら付き合うんだか。
私は終了まぎわに入札するスナイプ入札で
上限 122ポンド(17600円)としましたが、もうちょっと高く終わり失注しました。
Mintで22000円ならいい買い物です。残念!
同じ時期に別のKiron 105mmが出品されています。
199$(21800円) Mintの説明はついていません。
写真をよ~く見ると前玉周辺にカビが見えます。中央部にはカビなし。
後玉にはカビはないのですがその周囲のマウント面が汚れてイケマセン。
さらに状態説明文に「For parts or not working」おやまあ、それでこの値段は高すぎまっせ旦那。
100$以上つけてはダメ。 50$で十分と踏みました。
閑話休題
eBayの某出品者のページにダストについてのコメントが秀逸というか何というか・・・
Dust is everywhere in the enviloment, unless one lives in outer space. Occasionally new participants
to photography believe that dust in a lens is a fault and question us about it. It is impossible
to find a used lens without dust, and even new lenses have some dust. Dust is out of the photographic
plane and simply will not affect a photograph. The only dust that will affect a photograph is that
on a DSLR camera's sensor which is in the photographic plane. Indeed, there will be some naturally
occuring dust floating in the space between the lens and your camera's sensor and this will not affect
a photograph as it is "averaged out".
Dust is only a cosmetic issue and does not affect photographs. For this reason, we do not mention
internal dust in a lens unless there is a lot of it, or if there is a large particle.
ダストは深宇宙で暮らさない限りどこにでもあります。確かにそうです
写真を始めたばかりの人がたまに、レンズ内ダストは欠点だとして質問してきます。私もそうします。ないほうが良いに決まってます
ダストのない中古レンズを見付けるのは不可能で、新品レンズでもダストはあります。その通りですが量が問題なのです
撮像面以外のダストは画像には影響を与えません。撮像素子につくダストだけが画像に影響します。あれ? レンズについたダストは?
レンズと撮像素子の間の空間にダストが浮遊するのは避けられないですが、平均以下の影響しかありません。浮かんでいるような微小ダストなら問題ありません
ダストは外観の問題であり、画像には影響しません。 この理由から内部ダストが多量だったり大粒
だったりしなければ、注意喚起しません。多量とか大粒の判定基準は?
売り手の論理がよく見えます。 中古だから多少のダストなど気にするな
でも買う側にすると、たとえ中古でもキレイなのが良いに決まってます。要は値段と悪さ加減のバランスなのです。
この出品者は多数のクローズアップ写真つきなので良心的ですが、たった数枚の写真でもしこんなコメントが
ついてたら買い手はどうやって判断できるでしょうか? 私ならサッサとパスしちゃいます。
閑話休題2
eBayの出品レンズの説明文にしばしば「May not ship to Japan 日本には送りません」とあります。
さらに 「Ships to US」米国内に送ります」 おやまあ。
世界中の誰かと売り買いするサイトなのに? という感想ですが
海外発送の面倒な手間はイヤ
日本人には売りたくない
いろいろな考え方があるでしょうから、何としてでも買いたい!というほどの品物じゃないのでパス。
送料はどうせ買手負担なので交渉すれば送ってもらえるかも。
ある売主は送料を書いてなかったので、恐る恐る質問すると即座に返事ありました。→買いましたとも。
日本国内の売主から買ったレンズでは、あとで送料の値下げをしてもらったこともあります。
閑話休題3
eBayを観察していると、ときどきKiron 105mm Nikon用 が出品されます。
半分は日本不可、残り半分は値段が結構して手が出ません。
やはり、カビを自分で何とかせよという神様の指示ではないかと・・・
レンズ解体工具をポチッとしました。
あとは練習用のジャンクレンズを入手してみよっと。
閑話休題4
1000円のジャンクレンズを入手し、バラそうとすると・・・
頑強に抵抗するんです コヤツ
レンズ前ブロックが固着しており、ヘリコイドグリースの固着ではありません。
いろいろ試してみたのです。
加熱
水
無水アルコール
後は アセトン くらいしか思いつかない・・・
閑話休題5
eBayでNikonマウントのMint品が元箱入りで出品されてました。
2万円+送料 冒険だが エーイ買っちゃえ! 10万円も貰ったことだし
Lester A.Dine 105mm F2.8 macro
リングストロボを開発した会社で、医療用撮影機材が本業です。
この105mmもキノ精密からのOEM品。
このレンズは歯科撮影用で側面の表示が独特なのです。
Quadrant 1/4
Anterior 前面
Occlusal 噛み合わせ
Portrait 肖像