レンズ 弐の沼
Vivitar 中望遠ズーム 35-85mm F2.8 Nikon Fマウント
ズームレンズを見慣れた人には不思議なフォルムに見えるハズ。
ボディ側の細いギザギザリングは絞り設定用なのは当たり前ですが
真ん中の太いイボイボリングが距離リングなら、ズームリングは一体どこに?
日本ではあまり知られていないメーカーVivitar
日本製カメラ用の交換レンズをVivitar名で日本以外で多数販売していた。(現在は扱っていない)
日本メーカーがOEMで供給してたので、日本では売ってなかった。
最初に中望遠ズームと書いたが、正確にはズームではなくValiable Focusバリフォーカス
画角・倍率を変えるとピントがズレてしまう仕様です。(ズームレンズでは変わらない)
その代わりに、随分と大胆な操作方法を採用しており、太いリングを
回転すると 合焦距離が変わり
伸縮すると 倍率が変わります。
レンズの自動設計が当たり前になっていた時代、複雑なズーム機構よりも
より高品質な光学性能を低価格で得られるバリフォーカルを選択したVivitarの意地が見えます。
Vivitarの通常のラインナップではなく、高品質な Series 1 で販売されたのも当然です。
ズーム(バリフォーカス)なのに絞り固定というのもなかなかコッています。
製造したのはキノ精密工業、設計は米国Opcon
ネットでレンズ構成図を探すとこんなのが。
ピンクの後群は固定で、青色の前群と黄色の中群がそれぞれ別個に前後します。
翻って、現在のAFズームレンズでは一体どんなことになっているか調べると・・・
本来のズーム(倍率を変えてもピントは変わらない)ではありません。
全てバリフォーカス(Variable focus)
ズーミングによるピントズレはAF機構が調整してくれるのです。
本来のズームとは、ピントズレが起きないように複雑なメカニカル機構をしていたのですが
より簡単なバリフォーカスにしてコンピュータとモータでピント調整する
ようになりました。 これをズームと呼ぶのはアレレなのですが、そこは商売♪
カメラレンズ業界どころかカメラ雑誌業界まで黙秘権使ってます。
なので、AFのないズームレンズなら本来のズームレンズです。
私がポチッとしたのはAFのないバリフォーカスレンズ
実際に製造したのは キノ精密工業