31.トイレットあれこれ
インドネシアでトイレを設計する光栄?に恵まれ、辛呻した思い出があります。いったいインドネシアの人々はどういう風に使うんだろうかと。同じ地域でも事務員と工場労働者あるいは個人住宅などその使う状況によっても違うのは想像できます。この点が日本とはまったく違うのです。日本は金太郎飴のようにどこを切っても同じ。(まあ極端な議論ですが)
まずはWikipediaで紹介されている写真はこんなのです。もちろん日本のWikipediaではなくインドネシアのWikipediaです。
Kloset duduk腰掛便器 Kloset jongkokしゃがみ便器
僕の調査した便器実例はこうなってます。
多くの例から1つのパターンが見てとれます。
手前を向いて座る(壁に向くと頭を打ちます)
水桶は座った時の右側にある
シャワーも同じく右側にある
しかし紙は左右決まっていない
個室の中でどのような使い方をしているかわからないけれども、これを見習えば設計はできます。
設計原理:まねっこしてればどうにかなるさ
ただそれでは「モノズキ」な僕は満足できず、このような調査をしているわけです。(直接に話を聞けばいいのですが、それでは話題が広がらないですから)。
まずは疑問を。
@どっち向いて座るの?
写真を見てすぐ気がつくように、壁の方に向くと頭を打ってしまいます。手前を向いて座るわけです。
そのようにしゃがんだ時、便器のギザギザが前に広がっているので足を乗せやすいのです。逆に言うと、ギザギザの向きで便器の向きが決められているわけです。
しゃがみかた原理:ギザギザの広いほうを向いてしゃがむ
このようにしゃがむと、便器の出口穴の真上にオシリが来ます。オッコトす位置になっているわけです。
和式便器では一旦モリ上げてから後で一気に流すようになっていますが、ヒシャクですくった1杯の水では流れません。
おとしかた原理:穴にむけてオッコトス
穴の中の水が跳ね返ってくることがある(オツリ)ので気をつけましょう。
Aどうやって手で洗うの?
小は見たことありますが、大の方は目撃したことありません(個室だから当然)
ヒシャクやシャワーを使うこと、左手で洗うことなどから想像すると...
右手のヒシャクで水をくみ、左手で受けながら尻を洗う。従ってツメの間に入ることもないわけです。
シャワーの場合は右手のシャワーで水をかけながら左手で洗うことになります。
洗い方原理:右手も働いてます
その後、ヒシャクの水で左手を洗ってオシマイ。便器に残っていれば、ヒシャクの水で流します。
B洗ったあとは?
紙のないトイレはしかたないですが、紙のあるトイレではどうするんでしょうか?
答えは「人さまざま」。そのままパンツを上げる人、水気を紙でふいてから上げる人。 あの気候ですから濡れててもすぐ乾きます。
乾かし方原理:好きなように
では紙はどちら側がいいか?
ペーパーホルダーの上を押さえて紙を引きちぎるのですから、紙は右手、押さえるのは左手がいいですね。どんな手で触ったかわからない蓋をさわるのは左手なのです。このような使い方をするには、ペーパーホルダーは左側がよろしい。
ちぎり方原理:右手でグルグル
巻き取った紙は好きなように畳んで(グシャグシャ丸めてもよい)左手に持ち拭くのです。
C便所を出る前に?
ちゃんと手を洗うか?ジックリ観察した機会がありました。ジャカルタの事務所ビル(雑居)で個室から出てきた人は必ず手を洗ってました。ただし、タオルを持ってない奴は半分。ブラブラしながら出て行きました。
手洗い原理:大のあとは手を洗う
そういえば、日本の地下街のトイレでの目撃例:ゲタを履いて白い割烹着をつけたニーチャンが個室から出てきて手も洗わず出て行きましたっけ。それ以来そこの地下街では食事してません。
ジャカルタ14話でも紹介しましたが、インドネシア人男性は小の場合でも水で洗います。サキッチョだけか全体かは知るよしもありませんが、キチンと洗うのです。トイレで洗面の鏡のあたりに紙コップがあればそれに使ったコップです。インドネシア人をキタナイと言うのはハズレです。
洗い方原理その2:男のイチモツも洗う
インドネシアで見かける便器で一番目に付く(日本人だからなあ)のはやはりTOTOインドネシア
2番バッターにはやはり INAXをあげておきましょう(残念ながら見たことありませんが)
3番目はアメリカン・スタンダード American Standard です。これはよく見かけます。
いずれも僕の「しゃがみかた原理・おとしかた原理」を裏付けています。(笑)
余談ですが、インドネシアでは給水管の圧力・水量が足りないことが多く、このようなフラッシュ・バルブでは流れないことが予想されます。私はハイ・タンク(天井近くに置く)を設置して紐を引いて流すようにしました。
参考文献:kazのホームページ
:はてなインドネシア
次へ
戻る
目次